広告運用で「最大200%の売上UP」を達成。支援を通して気づいた「ECマーケティングで重要なこと」とは

 

  【写真左から】株式会社ミキハウストレード EC営業課 堀田昌弘氏、株式会社ウブン営業 佐藤太紀

新生児からキッズまでのアパレル商品を企画・製造販売する株式会社ミキハウストレード。同社が取り扱うブランド「ホットビスケッツ」は、1歳前後をコアターゲットに展開しています。着心地や縫製にこだわった上質さと、カラフルで楽しいデザインが人気を集め、出産祝いや誕生日などの贈り物としても喜ばれているブランドです。

以前は店舗での販売に注力していたそうですが、現在ではリアル 店舗とオンラインの両方に注力して販売を行っています。

オンラインでの販売は、 ウブンのAmazon広告運用コンサルティングサービスを導入した2021年2月以降、順調に売上が伸び、前年度の売上から平均30%UPを達成。中には200%UPを記録した月もあったそうです。株式会社ミキハウストレード EC営業課の堀田昌弘氏とウブン営業担当の佐藤太紀に、これまでの取り組みとその成果について聞きました(以下敬称略)


「来店予定のユーザーにチラシを配っていた状態」。気づかなかったEC戦略の落とし穴


2018年頃からAmazonでの販売をスタートしていたとのことですが、オンラインストアでの販売開始 当初の状況について教えてください。

堀田:ミキハウスグループ全体としては自社ECやモールへの出店はすでに行っていましたが、ホットビスケッツブランド単体としてのECサイトへの出店は2015年頃から。 それまではショッピングセンター内の専門店を主な販路としてきました。現在はAmazonをはじめ、ZOZOTOWN、Yahoo!ショッピングなど、複数のマーケットプレイスへ出店し、運営をしています。

とはいえ、ECに着手した当初は、私も前任の担当者もECサイトのマーケティングの経験がない状態でした。どのように広告戦略を立てるべきかわからず、どの商品を掲載すべきかも定まらず、手探りで運営していました。

当然、売上は芳しくなく、運営体制も一人で4,000アイテムの出品・管理を行っていたため、広告にまで手が回っていませんでした。

お一人で4,000点を管理されていたのですね! 外部にコンサルティングを依頼しようと思われたきっかけについて教えてください

堀田:きっかけはコロナでした。2020年、コロナ禍での外出自粛に伴い、Amazonでの売上も一時的に3倍程度伸びました。しかしこれは、ほとんどがコロナの影響による一時的な特需でした。そのため、同じことをやっていたら確実に停滞すると危機感を持っていました。

今後の対策をどうすべきか悩んでいたとき、ウブンの森岡社長と知り合う機会があり、ご相談させていただいた結果、2021年2月からウブンさんに支援をお願いすることになりました。


―ホットビスケッツといえば、ベビー服やキッズ服のカテゴリーの中でも認知度はかなり高いように思えます。ウブン側からはどのような提案をしたのでしょうか?

佐藤:まずは、広告のターゲット設定見直しのご提案をしました。ミキハウスさんでは、私たちのコンサルティング開始前、ユーザーが「ミキハウス」「ホットビスケッツ」と検索した際に表示される広告に、約40%の広告費を使っていました。わかりやすく言うと、「店舗の前に並んでいる人に対して、チラシを配っている」という状況で、非常にもったいないなと感じました。

ピンポイントでブランド名を検索するユーザーは、すでにミキハウス商品への購買意欲がある人。つまり、「広告を出さなくても、購入する可能性が高い人たち」ということです。

堀田:当時は、Amazonだけでなく、他のECサイトでも同様の広告施策を取っていました。広告のパフォーマンスはとても良かったため、「新規にリーチできていない」という状態に気がつかず、どんどん広告費用を投資してしまっていました。

佐藤:知名度が高いブランドなので、プロモーションを適正化するだけで、売上もグッと伸びるだろうと確信しました。そこで、「ミキハウスを探している人」ではなく、「Amazon内でベビー服、もしくはキッズ服を探している人」に向けて広告を出すべき、と提案させていただきました。


データ分析・広告戦略・Amazonからの情報をフル活用し、「狙った商品を売る」仕組みを作る


―ホットビスケッツの商品を探しているユーザーではなく、「ベビー服」などと検索しているユーザーや、競合他社の商品を検索している人に広告が届くように、仕組みを見直したということですね。

堀田:ウブンさんの提案は私たちからしたら、目から鱗でした。アドバイス通りに広告の出し方を見直すと、すぐに効果が表れ、「売りたいものが売れる」状況へと変わっていきました。

なお、アパレル業界の特性上、季節によって売れる商品は変動します。定例会では、私たちから力を入れたい商品をウブンさんにお伝えし、季節ごとに注力する商品を変更しながら広告を運用してもらっています。


―Amazon側のコンサルタントも交えて定例会を行うそうですが、どのような内容で行われているのでしょうか?

佐藤:月1回の定例会では、Amazonのコンサルタントも交えて週次データの確認を行っています。その際、Amazonさんからは、「今この商品が注目されている」などのマーケット情報を共有してもらい、ミキハウスさんの売りたい商品とすり合わせて戦略を立てています。

堀田:夏のレジャーシーズンに差しかかる頃、Amazonさんから「日除け付きの帽子が伸びてきているから、ミキハウスさんでも伸びるのでは」という情報をいただき、ウブンさんに広告の配信を調整してもらったところ、飛躍的に売上が伸びたことがありました。

全商品を通して、数百を超える販売数は稀なのですが、この日除け付き帽子については、2021年度は前年比2倍以上の販売があって。2022年度分の商品確保をするときも、周囲から「本当にこんなに確保して大丈夫?」と念押しされるほどでした。

佐藤:ご支援を始めて、1年8カ月。前年度のデータが蓄積していくことで、トレンドの先読みをすることが可能になってきました。

アパレルカテゴリにおいては、季節ごとに売り出す商品を変えていくことは売上を左右する重要な施策です。「前年これが売れたから、そろそろ伸びそう」という予測とともに、ミキハウスさんが注力したい商品の意向を汲んで戦略を立てています。


最大200%の売上UPを実現。さらなる改善に向けて対策を講じる


―支援開始後、どのような成果がありましたか?

佐藤:1年半のデータを平均したところ、前年度対比で約30%の売上UPでした。中には200%UPを記録した月もあり、順調に伸びている印象です。

堀田:他のECサイトと比較しても、Amazonでの売上は圧倒的。Amazonにおいては、「狙ったアイテム」で売上を伸ばすことができています。ウブンさんのデータ分析と広告戦略に加え、Amazonさんからのマーケット情報など、それぞれの歯車が噛み合って、成果が出ているように感じています。


―今後の売上をさらに向上させるために、どのような取り組みが必要だと考えますか?

佐藤:店舗への来店率が上がってきた今、さらなる戦略を立てていく必要があると考えています。これまで「月1回」だった定例会を「週1回」に設定し、より密にコミュニケーションを取り、認識の齟齬が生まれないよう戦略を立てているところです。

堀田:まだまだホットビスケッツを知らないお客様も多く、より多くのお客様にブランドを認知していただく必要があります。そのためには、Amazon内でもしっかりブランディングの取り組みを強化していきたいと考えています。Amazon内のストアを充実させ、商品の羅列だけでなく、ホットビスケッツというブランドの魅力が伝わるような見せ方にこだわり、他の商品と同質化している状況を脱却していきたいです。

佐藤:今後は、「買われやすい商品」「買われにくい商品」の選別が、より一層重要になってくると考えています。

Amazonで提示できる広告数に対して、ミキハウスさんの商品数は非常に多いです。ユーザーに検索結果の1ページで表示できる広告数が5〜6個程度であるのに対して、ミキハウスさんの商品数は4,000点。いかに的をしぼって広告を提示できるかが、今後の伸び率のカギになるはずです。「高い注文率が見込まれる」などの注力商品を一緒に検討していきたいです。


―商品単位で広告の強弱をつけていくことが、今後の売上につながっていくのですね。

佐藤:広告運用の提案に関しては、「確度とインパクト」に重きを置いています。多岐にわたるEC戦略がある中で、「何を優先すれば売上に直結するのか」を常に意識し、最適なご提案へとつなげます。これまでの支援にプラスして、足りていない部分を洗い出して目標数値を達成したいです。

堀田:ECサイトは期待値の高い販路です。特にAmazonのような大きなマーケットプレイスには、たくさんのユーザーがやってきます。順調に成果を出せているからといって、これに甘んじず、次の対策を講じてもっと大きな数字を狙っていきたいですね。社内からも「まだ売れるはず」という期待を感じています。ウブンさんと一緒に、最善策を模索し続けていきたいです。


―ありがとうございます。最後に、ウブンにコンサルティングを依頼して良かったと感じる部分を教えてください。

堀田:売上UPはもちろんですが、ECサイトにおける「マーケティングとは何か」を学べたことも良かったです。ウブンさんとの出会いがなければ、ECで販売するための重要なポイントに気づけず、現在のような実績は出せておらず、尻すぼみになっていたかもしれません。

今、私たちが感じている課題を挙げるなら、「ウブンさんと同じような判断力を身につける」ということ。1年半以上にわたって伴走していただき、分析や戦略の面でたくさんの気づきを与えていただきましたが、改善を続けるためには私たちの視野と思考も、ウブンさんが見えている状況に近づかなければいけないと考えています。ウブンさんにより近い認識力で状況を見る力を身につけて、今後の成果につなげていきたいです。


取材・文:佐藤有香 編集:五十嵐綾子(株式会社YOSCA)


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