【写真左から】株式会社I-neダイレクトマーケティング部 ECグロースハック部 キープラットフォーム2課 芳賀由莉加氏、木野皓生氏
BOTANIST(ボタニスト)やYOLU(ヨル)、SALONIA(サロニア)をはじめヘアケア・美容家電・スキンケアなどのカテゴリーを中心に、人や社会・地球を美しくするためのブランドを展開し、様々なヒット商品を生み出している株式会社I-ne(アイエヌイー)。独自のコンセプトによる開発力とクリエイティブには定評があり、オンラインでトレンドを生み育て、オフライン流通で拡大する独自のターゲットリーチを確立しています。
EC会員やSNS会員など創業から積み上げてきたダイレクトにリーチできるアカウント数は合計で3,400万人(※1)を越えます。同社で、Amazonモールを担当している木野皓生さんと芳賀由莉加さんに、『Ubun BASE(ウブンベース)(※2)』から得ている気づきや新たな視点について聞きました(以下敬称略)。
※1: 2022年12月末時点における各ブランドのLINEアカウントの友だち数の合算、Twitter、Instagram、TikTok、Facebookのフォロワー数(一人が各ブランドの友だち登録及びフォローしている場合、重複カウントされている)及び、2022年12月末時点(計測期間:2015/10/8-2022/12/31)における当社EC販売管理システムに登録された名前と電話番号が一致する顧客の数を集計したもの。
※2:『Ubun BASE』とは、ウブンが展開しているAmazonレポートの自動化ツールのこと
――木野さんと芳賀さんのお二人はI-neさんでどんな仕事を担当されていますか? またウブンの『Ubun BASE』を利用されるようになった理由も教えてください。
木野:私たちはダイレクトマーケティング本部の一員で、重要なミッションの1つはオンラインでの売り上げを最大化することです。私たちのチームは、Amazonさんのモールでの売り上げの最大化を図っています。
『Ubun BASE』を利用するようになったのは3年前です。Amazonさんからのパートナー紹介でウブンさんを知り、『Ubun BASE』という無償で使えるデータ分析サービスがあるとご案内いただいたことがきっかけでした。弊社としては、まさに体制のさらなる充実を目指し、データの見える化や分析体制を強化したいと考えていたタイミングでした。他サービスも検討したのですが、サービスの使いやすさと、私たちが知りたいデータと合致する視点が多かったので、それからはずっと『Ubun BASE』を利用しています。
――『Ubun BASE』を使う中で、特にどのような機能を評価されていますか?
木野:広告に限った実績が見えるツールは他にもありますが、『Ubun BASE』は1つの機能に特化せず、網羅的に全体の販売状況を見られる点が、他サービスに比べて優れている点だと思います。例えば、売り上げの増減があったときに、どこが一番原因になっているのかを把握しやすい構造になっていると感じます。
番(ウブン担当者):ありがとうございます。通常は、売り上げの増減を見て、次にブランド単位でチェックし、さらに商品の増減がどこにあるのかを把握することが一般的だと思います。しかし、『Ubun BASE』では、全体からブランド、商品、商品に基づく各KPIの単位まで簡単に見ていただけます。
木野:『Ubun BASE』の中でも、私がよく活用している機能は3つあります。1つ目は、ある程度広告を出稿したときに、オーガニック(検索エンジンから自然に流入する集客)の売り上げが全体に対してどのくらい寄与しているのか、2つ目がどれだけリピート顧客がついてきてくれたのか、3つ目がオーガニック検索結果の順位です。これらのモニタリング機能を利用することで、例えばシャンプーというキーワードの中で、弊社のブランドがどこに位置するのかなど、広告以外の指標が可視化されます。これは、他サービスではなかなか見ないツールで、重宝しています。
芳賀:レビュー分析機能も活用頻度は高いですね。レビューを読むことで「お客様は商品に対してこんな意見を持ってくださっているのか」という気づきが得られます。そこから、サブ画像でどんなことを伝えるべきかなど、より良い商品ページに改修していくときに、各ブランドともすごく活用させていただいています。
木野:そうした指標やレビューから、チームですぐに対応できる課題が見つかったら対処ができます。また、レビュー分析などを通じて商品自体の改良が必要だと感じたら、ブランド担当に相談します。このように短期的な課題対応と、中長期的な商品改善の両面で活用していますね。
番:I-neさんの分析や施策を展開するための質やスピードアップに貢献できているとしたら、とても嬉しいです。
木野:社内でも管理シートは存在するのですが、今までは、データの見える化や整備にもかなり時間を要していました。『Ubun BASE』によって、課題を見つけるまでの時間を短縮できていることが、生産性が高いチームづくりに繋がっていると思います。良い分析ができていることでそこから導き出した施策を実行した際に、ポジティブな結果になることが多い。すると、さらに新しいことに前向きに取り組めるようになります。
――これまで『Ubun BASE』をお使いいただいて、新たな気づきや発見はありましたか?
木野:1つは広告とオーガニックの視点です。広告費に対してどれだけ売り上げが作れたのか、全体が見えるようになったこと。もう1つは短期ですぐ売り上げにつながる広告とは別に、中長期の指標が『Ubun BASE』のおかげで可視化されたことです。この2つが重要な気づきになりました。
芳賀:私もそこがすごく良い気づきだったと思っています。ウブンさんの管理画面でAMCレポートをダウンロードして、ROAS(※3)や売り上げをはじめ、、新規率やリピート率など、様々なデータを分析・検証することができています。
番:1回ダウンロードしたものをRAWデータにして、分析しているんですか?
芳賀:ブランド別やカテゴリー別など見ています。
木野:さらに、可視化されて良かったのはLTV(顧客生涯価値)ですね。広告費を有効に活用するためには、リピートのお客様に向けた施策がより効果的と言えるでしょう。しかし、新規顧客の獲得をおろそかにすると、中長期的には事業の成長が滞る可能性も出てきます。だから、新規顧客への投資の重要性をチームの共通認識として持つことで、目先の費用対効果だけでなく、長期的な視点でバランスのとれた判断をすることに役立っています。
芳賀:広告経由のROASはもちろん追いつつも、サブ指標のような形でLTVを加味したROASを確認したり、キーワードでもっと幅広くユーザーを獲得できないかをチェックしたりしています。
※3:ROAS(Return On Advertising Spend)とは広告の費用対効果を意味し、広告に投じた費用に対して得られた売り上げを示す指標
――『Ubun BASE』にこんなツールや機能が欲しいというものはありますか?
木野:売り上げの分析はもう完璧に近いくらい整備されていると思います。ただ、もしさらに改善できる点を挙げるとすれば、利益のところで、例えば原価の情報を追加すれば、期間・商品別に利益が可視化できるようになるとありがたいですね。そうすることで、売り上げと利益の2つの目標を追いながら、日々のPDCAサイクルを回しやすくなると思います。
芳賀:ビッグセールのときなどに、どれぐらいのPOSが回るのか、どれぐらいの出荷数が出るのかを、今は昨年の実績から手動で算出することが多いです。この過去実績をベースとした算出の自動化や、市場動向含めたPOS予測(売上予測)機能が追加されるようになれば、さらに正確な予測ができるようになるので、本当に素晴らしいなと思います。
――今後の目標や取り組んでみたいテーマがあれば教えてください。
木野:今あるものを最適化するだけでなく、ブランド構築から取り組んでみたいと思っています。お客様にとってニーズがあるものや、ニーズに気づかれていないけれどフィットするものなど、良いものを作りブランド育成に時間をかけていきたいです。こうして商品を受け取るお客様に喜んでいただくことで、売り上げにも貢献することを目指しています。本質的に良いものが生まれ続ける構造を作れたら、自分も嬉しいです。
芳賀:私はECを含むオンラインの領域をもっと強くできたらと思っています。弊社ではSALONIA・DROAS(ドロアス)・YOLU(ヨル)などのヘアケア、美容家電ブランドをオンラインで展開しています。各ブランドの商品を組み合わせたギフトボックスや、お客様のさまざまな生活シーンで活用できる商品をブランド横断でレコメンドするなど、オンラインだからこそできる価値提供の幅を広げていきたいと思っています。
番:ウブンとしても、そうしたお二人のブランドの育成やオンラインのロイヤリティ向上に寄与できるようなサービスをさらに充実させていきたいです。
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